2010年7月7日

NHK「大相撲中継中止」を考える

数年前、諸所の事情で某民放が某格闘技イベント中継権の放棄を発表した際、NHKの関係者に「ぜひ、中継を引き継いでください」と提案したことがある。

地上波で当たり前のように中継されていたものが、何がしかの理由で突如、視聴できなくなる。それを楽しみにしている視聴者にとっては残念でならない話だ。無論、有料多チャンネルで中継が引き継がれるケースもあるだろうが、視聴するために料金が発生する以上、万人向けサービスとはいえない。「だからこそ、視聴者保護の観点でNHKが動くべき」というのが僕の理屈だった。
理由はもうひとつある。某民放が中止を言いだした理由は明らかにされなかったが、どうも「裏家業とのつながり」が噂されていた。これでは、視聴率に関係なくスポンサーが納得しない。中継権放棄もやむなし、といったところだ。
しかし、NHKはスポンサーを気にする必要はない。もちろん、実質的なスポンサーたる国民の声は尊重すべきだろうが「裏家業とつながりのあるイベントを中継することで、NHKに受信料を払っている自分のイメージが悪くなって仕事ができなくなった」ということは起こりえない。それを理由に受信料支払いをやめると言い出す方は、法廷闘争に持ち込まれる前に放送法におけるNHK受信料支払いの定義を見直したほうがいい。

要は「何があろうと、NHKは今回の大相撲中継を中止すべきではなかった」ということ。放送局、まして公共放送NHKの使命は、あくまで国民の関心事を伝えることにある。番組を契機に製品の訴求やイメージアップを図る必要もなければ、視聴率を稼いで広告料を吊り上げる必要もない。根本的な立場が某民放や永谷園とは違うのだ。
ジャーナリスティックな観点で問題点を追求するのはいい。が、放送を取りやめるというのは一種の制裁行為。放送を行った上で「視る・視ない」を視聴者の判断に委ねるべきであり、唯一の公共放送局として「伝えること」に意義を見出してほしかった。

ちなみに、某格闘技イベントの話は「おもしろい提案だけど・・・難しいね」ということで実現しなかった。多くの「放送してほしい」の声が寄せられ、また個人的には「今度こそ」の思いがあっただけに中止決定は残念でならない。

高瀬徹朗(本誌特別記者)

2010年6月15日

フジノン 映像機器内覧会2010

 TEPIA(東京・青山)で開催されたフジノン恒例の「映像機器内覧会」の取材に行く。
 本内覧会は、同社の最新機器を展示・紹介するイベントで、会場内にはNABでも発表されたHDTVカメラ対応ポータブルズームレンズ「XA-s」「XT-s」シリーズや、4K対応35㎜PLマウントズームレンズ「HK7.5×24」「HK3.1×14.5」、HDポータブルレンズを搭載した3D用シンクロズームシステムのほか、数多くの新製品を展示。また、フィルタ表面に付着する水滴を親水膜で拡散してクリアな視界を確保できる「親水コートフィルタ」なる技術も紹介され、来場者の注目を集めていました。

撮像素子1/3型のHDTVカメラに対応した「XT20s×4.7」

撮像素子2/3型のHDTVカメラに対応した「XA16s×8」

焦点距離14.5㎜から45㎜まで対応の超広角ズームレンズ「HK3.1×14.5」(35mmPLマウントを採用)

焦点距離24㎜から180㎜まで対応の望遠ズームレンズ「HK7.5×24」35mmPLマウントを採用)

HDポータブルレンズ「HA21×7.8」2本を搭載した3D用シンクロズームシステム 2眼ズームレンズの高い同調性を実現

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2010年6月3日

ソニービジネスソリューション総合展2010

1 会場

  「ソニービジネスソリューション総合展2010」の取材のため、品川・THE GRAND HALLへ行く。
  本イベントは、ユーザーに同社のソリューションを幅広く紹介することを目的とした内覧会で、会場内は「メディアソリューション」「公共ソリューション」「エンタープライズソリューション」の3つのゾーンムに分けられ、多くの製品が展示されていた。
  本誌に関係する「メディアソリューション」ゾーンには、コンテンツの取り込みから編集、アーカイブまでの作業を統合的に管理、運用することで、業務効率向上実現する「メディアバックボーン」や、高性能マイクロプロセッサCell/B.E.を最大14個(MPE-L1000は最大11個)使用することにより、4Kなど多様なフォーマットの素材をトランスコードする「MPE-T1000」といった最新のソリューションのほか、最近すっかりトレンドとなった3D関連の製品や各種カムコーダ、業務用有機ELモニター等、「NAB2010」に出展した最新のシステムも多数展示され、来場者の注目を集めていた。

トランスコード機能に加え、最大4台のVTRから同時インジェスト可能な「MPE-L1000」とマルチコアプロセッシングボード「BKMP-AB100」

トランスコード機能に加え、最大4台のVTRから同時インジェスト可能な「MPE-L1000」と、マルチコアプロセッシング ボード「BKMP-AB100」

1/2型フルHD 3CMOSセンサーを搭載したXDCAM EXカムコーダー「PMW-320K」 

1/2型フルHD 3CMOSセンサーを搭載したXDCAM EX  カムコーダー「PMW-320K」 

7.4型有機ELパネルを搭載したカラービューファインダー「HDVF-EL70」(スタジオカメラ用)

7.4型有機ELパネルを搭載したカラービューファインダー「HDVF-EL70」(スタジオカメラ用)

スーパー35mm相当単板CCDを搭載し、PLレンズマウントに対応したHDCAM-SRカムコーダー「SRW-9000PL」

スーパー35mm相当単板CCDを搭載し、PLレンズマウントに対応したHDCAM-SRカムコーダー「SRW-9000PL」

有機ELパネルを採用した7.4型業務用有機ELモニター「PVM-740」 独自技術「Super Top Emission」により、高いピーク輝度を実現することが可能

有機ELパネルを採用した7.4型業務用有機ELモニター「PVM-740」 独自技術「Super Top Emission」により、 高いピーク輝度を実現することが可能

マルチパーパスカメラ「HDC-P1」を2台を搭載した3Dカメラシステム 光ファイバーアダプター「HDFA-200」をカメラシステムに設置し、2つのカメラからの映像を1台のCCUからコントロールすることも可能

マルチパーパスカメラ「HDC-P1」を2台を搭載した3Dカメラシステム  光ファイバーアダプター「HDFA-200」をカメラシステムに設置し、2つのカメラからの映像を1台のCCUからコントロールすることも可能

2台のカメラで撮影する際に生じる映像のずれの解析と補正するマルチイメージプロセッサー「MPE-200」

2台のカメラで撮影する際に生じる映像のずれの解析と  補正するマルチイメージプロセッサー「MPE-200」

デジタルワイヤレスA型規格に対応したデジタルワイヤレスマイクロホン
デジタルワイヤレスA型規格に対応したデジタルワイヤレスマイクロホン

(s)

2010年5月26日

感動した話

「ご高齢の方など、インターネットを使いこなせない視聴者は少なくありません。それでは、いかに役所や警察署がHPを充実させても意味がない。そこでPCよりも使いやすいテレビのリモコンで操作できるデータ放送を活用することにしました」。
残念ながら、これは放送事業者のコメントではない。6月に控えるイベントに向けて取材したあるケーブルテレビ事業者が、自主放送向けデータ放送のコンセプトについて説明した内容である。

情報格差(デジタル・デバイド)の解消―。データ放送、というよりデジタル放送化自体の大きな目的であったはずのテーマだ。が、今では「データ放送非対応テレビ」なるものが登場し、むしろ「データ放送だけに情報を出すとデジタル・デバイドを生みかねない」という訳のわからない状況となってしまった。
その本流が、いまも生きている。それも、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルというマニアックな(?)分野で。00年12月のBSデジタル放送開始以来、取材記者の立場ながら長くデジタル放送化の現場に立ち会った者として、ある種の感動を覚えた。

無論、すべてのケーブルテレビ事業者が同じ意識、というわけではあるまい。また、地域密着へのこだわりというある種の原点回帰が、大手通信事業者の圧倒的な攻勢にさらされることで生まれた危機感の顕れであることも事実だ。
それでも、基本理念が消え去っていなかったことへの感動は大きい。都会で失われた純粋さを帰省先の田舎で探し当てたようなもの(注:話を聞いたケーブルテレビ局は東京の真ん中辺がサービスエリア。私自身は東京都新宿区出身)だろうか。
ちなみに、ケーブルテレビセットトップボックスの中にも「データ放送非対応端末」なるものが普通に存在するそうだ・・・あしからず。

高瀬徹朗(本誌特別記者)

2010年5月18日

J SPORTS 日本初の3Dスポーツライブ中継を実施!

J SPORTSは、5月15日に行われた「ラグビーワールドカップ2011 アジア地区最終予選 日本×カザフスタン戦」を3Dライブ中継し、東京・秋葉原UDXシアターをはじめ、東京/大阪あわせて4か所でパブリックビューイングを実施した。3Dスポーツライブ中継としては、日本で初の試み。

web01 会場門
今年のワールドカップといえば、サッカーだけじゃない!ラグビーも盛り上がってます。

web02 小型3D中継車
㈱NHKメディアテクノロジーの小型3D中継車。
「大型3D中継車は今日、三社祭に行っちゃいました。でも、この小型3D中継車と、となりにあるスイッチャーなどの設備した仮設車を組み合われば、同じ機能を発揮できますよ」(NHKメディアテクノロジー 放送技術本部・城所氏談)

web03 3ality
㈱イマジカによる米国3ality Digital社の3Dカメラ。
ゴール裏に設置されピッチレベルの大迫力3D映像をとらえる。
試合後半になったら、反対のゴール裏へ移動。「だいぶ重いです。根性で移動です」(カメラスタッフの方談)
さらに、試合終了のヒーローインタビューではグランド中央まで移動しての撮影。根性でした。

web04 国歌斉唱
試合前の国歌斉唱。その後、試合開始を見届けた私は東京・港区の秩父宮ラグビー場から、千代田区・パブリックビューイング会場の秋葉原UDXシアターへダッシュで移動! 
後半開始前のフォトセッションに間に合うか?

web05 秋葉原UDXシアター
パブリックビューイング会場の秋葉原UDXシアター。
後半開始前のフォトセッションにて、約100人の観客の方がマスコミ向けのサービスショット。
なんとか、間に合った…。

web06 実況&解説
解説の村上晃一氏と実況の矢野武氏。
「このトライ、カメラに向かってこい!3D映像炸裂だ!」と、会場にて生付けならではの実況コメント。

今回の3Dライブ中継はパブリックビューイング会場への中継のみであったが、スイッチングやテロップ、CG制作、そしてカメラ設置位置などの3D制作は、通常のテレビ生中継(2D)とは別にした「将来の3Dライブ中継に備えた体制」(J SPORTS技術本部・富久氏)で行われた。

特にピッチレベルでの3D映像は圧巻で、あらためて3Dとスポーツ中継の相性のよさを実感した。
今後、本格化するであろう3D放送へ期待大!

なお、今回の3Dライブ中継の詳細記事は、次号の月刊「放送技術」8月号(7/28発売)にて、J SPORTS様のご執筆にて掲載予定。乞うご期待!
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2010年5月13日

ゼンハイザージャパン 新製品発表会 

ゼンハイザージャパン㈱は、5月13日に東京・秋葉原UDXシアターにて、ワイヤレスシステムの新製品「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」の発表イベントを開催した。

今回の新製品には「周波数スキャン機能」、「周波数バンク機能」、「赤外線Sync機能」などの新たな機能が追加されたている。また、マイクロフォンカプセルはラインナップより選択して簡単にセットアップでき、さらにPCによる管理ソフトウエア・WSM(ワイヤレス・システム・マネージメント)にも対応している。
01 「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」
新製品「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」

02 フェンダー
よく見ると手前のギター、フェンダーのストラトではないか!

発表イベントでは、音楽グループ「Skoop On Somebody」による実際にゼンハイザー社のマイクロフォンを使用したデモ演奏ライブや、ドイツ本社より来日したシニアプロジェクトマネージャーのKlaus Willemsen氏によるプロフェッショナルワイヤレスマイクシステムについての講演も行われた。
03 Skoop On Somebody
Skoop On Somebodyさんによるデモライブ。
「自分は体もマイクも震えるまで熱唱する古いタイプのボーカリストですが(笑)、このマイクはそれをちゃんと伝えてくれます」ボーカル・TAKEさん談

04 Klaus Willemsen氏
Klaus Willemsen氏の講演。「うぇるむせん」さんと読みます。

05 堂田氏
カメラを向けると「僕もいいっすか?」とゼンハイザージャパン・放送機器担当の堂田氏。おちゃめである。

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第14回JPPAアウォード2010 開催発表会見

日本ポストプロダクション協会は「第14回JPPAアウォード2010」の開催発表記者会見をおこなった。

今回の開催日時は以下のとおり。

「第14回JPPAアウォード2010」
日時:2010年5月28日(金)
贈賞式 14:45分~18:10
記念パーティー 18:30~20:30
場所:青山ダイアモンドホール

当日は、すでに発表されている各部門のゴールド賞とシルバー賞の中から、グランプリと経済産業大臣賞が発表される。
会見では、鈴木泰助・JPPA会長は「このアウォードなど協会活動によって、会員社の活動の充実をはかり、業界を盛り上げていきたい。また、昨今の3Dブームが業界全体への起爆剤となるよう期待したい」と語った。

鈴木泰助 JPPA

鈴木泰助 JPPA会長

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2010年4月21日

スカパーJSATとソニー、2010年サッカーW杯南アフリカ大会を3Dで放送

スカパーJSATソニーは、6月11日に開幕する2010 FIFAワールドカップ 南アフリカの日本対オランダ戦及び決勝戦の生中継を含む計25試合の放送を3D放送すると発表した。

この3D放送は、「スカパー!」で新たに放送を開始する3D専門チャンネル「スカチャン3D 169」での放送となり、3D放送専門チャンネルとしては、日本で唯一となる。
今回はソニーを冠スポンサーとして「Sony Presents 『2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ 3D』」として、チャンネル、パック・セット等の契約により無料で視聴できる。

この3D放送に使用される映像は、オフィシャルFIFAパートナーであるソニーがFIFAとの共同で3D映像化するもので、撮影・制作には、カメラや中継車などを始めとするソニー製3D対応放送業務用機器が使用される。
ソニーでは、6月からの3D対応の液晶テレビ<ブラビア>発売する予定。

共同会見

スカパーJSAT・執行役員専務 田中 晃 氏(左)と、ソニー・3D&BDプロジェクトマネジメント部 部門長 島津 彰 氏(右)

ちなみに発表会見が行われたのは、東京・文京区にある「日本サッカーミュージアム」。
サッカーミュージアム

地下一階の「日本サッカー殿堂」には、偉人たちのレリーフが。クラマー釜本もいる!
日本サッカー殿堂
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2010年4月20日

「鹿カレー」の試食会

前回の『総長カレー』に引き続き、KBS京都の前川さんから届けていただいた「森のグルメ~鹿カレー」を、みんなでいただきました。
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(kenta)
「Curry de Gibier」とサブネーミングされたこのレトルトのカレー、
ジビエの季節の名残の一皿となりましたね!
「日本を代表するフランス料理のシェフ」吉野建さんが、
本場パリのジビエ料理の技で監修をしたという逸品ですね。
野趣あふれる鹿肉がカレーソースでスパイシーに仕立てられていて、
また、一緒に煮込んだまいたけの食感もいいですね!

(㎡)
こっ、これは… これこそ大人、大人の辛さ。
なるほど…、総長カレーでの、あのラグジュアリーな感覚にすっかり高揚していた私の胸元に、躊躇なく踏み込んでくるこの動物的なポストモダンさ…。さ、さすが、鹿。

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少し辛口でしたが、それが鹿肉とちょうど良く混ざり合い、これまた美味でした。
それはそうと、「鹿肉」初めて食べました。
個人的には癖もなく、非常にやわらかくとろける旨み。
まだ、食べていない方は是非一度お試しあれ。
sika 02
なお、この鹿カレーも
通販サイト「京都生活」(http://www.kyotodays.jp/index.htm)にて販売中です。
気になった方はご覧なってみてください。

2010年4月16日

座談会回顧録 「データ放送座談会」に思ふ ④

「技術的に可能」なことが、放送サービスとして有益であるとは限らない。
思えば初期のデータ放送は「技術的に可能」となったことを試す場となっていた。
視聴者に受け入れられれば良し、受け入れられなくとも
「いまはまだ、デジタル放送が普及していないから」
「電話線がつながっていないから」
と言い訳がたつ。

座談会を終えて感じたこと。それは「現実路線への転換」だった。技術的に可能となる高度なサービスを追い求めるのではなく、あくまで視聴者にとって有益な放送サービスを提供すること。それこそが、今回最も大きなテーマとしていた「データ放送の現在」だ。
無論、不況と広告収入減に伴うコスト削減が背景にはある。担当者がやりたいことを試す余裕がなくなってきたことも事実だ。それでも、新たなサービスがなくなったわけではない。むしろ、地に足をつけた新規データ放送が増えてきたのだと感じた。

「労多くして功少なし」はデータ放送の宿命かもしれない。スポーツ中継では事前に競技自体を学び、さまざまな関連情報を集め、それらに誤りがないかを確認し、狙い通り動くかどうかを検証する。それでも、視聴率アップに貢献するのは難しい。下手すれば、多くの視聴者に存在を気づかれぬままに終わる。
PUSH型の一斉同報配信を武器に情報を氾濫させ、高度経済成長以降の大量消費を支えてきたテレビ放送にとって、多少のPULLを伴いチマチマした情報を提供するデータ放送は決して相性のよいものではない。一時はインターネットにかわるもの、つまりはデジタル=デバイド解消の切り札として関係者の期待を集めたが、データ放送がテレビ放送の一環として行われる以上、両者はあくまで似て非なるものなのだ(非対応端末の有無に関わらず)。

それらを踏まえた上で、データ放送担当者たちは「新たなメディア」としての基軸を打ちたてようとしている。本質的には、テレビ放送を補完するためのツール。
その本質の範囲内でも何らかの発展を遂げることができるのではないか、と。

長く課題とされてきたテレビへの通信回線接続については「つなぐまで待とう」でも「つながせてみよう」でも(もちろん「殺してしまえ」でも)なく、「つながなくても楽しい」や「別の回線を使おう」という方向性が生まれてきたようだ。これはこれで悪くない。
飛躍的なステップに頼るのではなく、コツコツと積み重ねた結果の上にいつしか見えるのが「次のステージ」。その形は依然おぼろげではあるが、少なくともたどり着くことはできそうだな、と期待感の持てる座談会となった。(終)

高瀬徹朗(本誌特別記者)


高瀬氏による、「座談会回顧録」4回分すべて掲載させていただきました。
文中の座談会ですが、月刊「放送技術」5月号(4/28発売)にて
特集として掲載いたしますので、是非ご覧なっていただければ幸いです。