2010年8月26日

新製品ピックアップ 9月号掲載分

8/28発売予定の月刊「放送技術」9月号へ掲載する新製品情報を先行してご紹介します。

ソニーのレンズ交換式HDビデオカメラ
ソニーは、総画素数約1460万画素の“Exmor”APS HD CMOS センサーを搭載し、独自のEマウントの採用で、用途に合わせたレンズ交換が可能な世界初のレンズ交換式デジタルHDビデオカメラレコーダー“ハンディカム”「NEX-VG10」を発売する。

本製品は、ソニーのデジタル一眼カメラ“α”シリーズ「NEX-5」「NEX-3」に採用しているAPS-Cサイズの大判センサーと交換レンズの組み合わせにより、高画質で豊かな映像表現を実現するHDビデオカメラレコーダー。従来のビデオカメラとは異なる、美しいボケ味の映像や多様な交換レンズの性能を生かしたクリエイティブな映像を撮影することが可能である。
主な特長
●美しいボケ味と高画質を実現した“Exmor”APS HD CMOSセンサーを搭載。
●レンズ性能を生かしたクリエイティブな撮影を可能にするレンズ交換式を採用。
●AVCHDフルハイビジョン記録対応に加え、高音質な記録を実現するステレオマイクロホンの搭載と撮影者の感性を生かせるマニュアル操作機能。
●ソニー製ビデオ編集ソフトウェア「VegasTM Movie Studio HD Platinum 10」を提供。
価格 オープン
ソニー株式会社
TEL 0120-777-886

NECの超低遅延デジタル映像圧縮・伝送装置

NECは、映像圧縮時の遅延を業界最小クラスの10msecに抑えた超低遅延デジタル映像圧縮・伝送装置「VC-7700」の販売を開始した。

本製品は、大容量の映像信号を圧縮し、放送局へ伝送するための装置。NEC独自の「超高画質・超低遅延符号化アルゴリズム」の搭載により、圧縮時の遅延を業界最小クラスの10msec にまで抑え、リアルタイムに映像伝送を行うことが可能となる。
主な特長
●「超高画質・超低遅延符号化アルゴリズム」により、圧縮時に生じる遅延を業界最小クラスの10msecに低減。
●最新の映像圧縮国際規格「H.264 High422profile@LEVEL4.1」を採用することで、低ビットレートの通信環境においても高品質な映像伝送を実現。
●映像信号のほかに、デジタル字幕データや放送局間制御信号などの補助データ信号も伝送することが可能。
●音声圧縮方式としてMPEG-2 AAC-LCを始め、MEPG-2-BC、MPEG-1 Layer2、非圧縮LPCMなど多様な方式に対応し、映像の出力も放送用の伝送規格であるDVB-ASIとIPの両方から選択が可能。
日本電気株式会社
TEL 03-3798-6366

リーダー電子のマルチSDIモニター
リーダー電子は、最大4つのSDI信号を同時監視することができる、放送局・中継車等のビデオエンジニア向けビデオ波形モニター「LV5381」を発売した。

複数台設置されたカメラの出力信号の調整用途に特化し開発された本製品は、ビデオ信号波形表示、ベクトル表示、ピクチャー表示において、複数の入力信号を重ねて表示する機能や並べて表示する機能を装備している。
さらにエンベデッドオーディオのレベル計表示、伝送エラー表示、ビデオ信号のピークレベルを5本のバーであらわす5BAR表示など充実した機能を備え、これらの各機能を組み合わせて同時に表示することもできる。
価格 オープン
リーダー電子株式会社
TEL 045-541-2122

ヒビノのデジタル・ミキシングコンソール
ヒビノは、Soundcraftのデジタル・ミキシングコンソール「Vi1」を発売する。

本製品は、Soundcraftのフラグシップモデル「Vi Series」の能力を極めてコンパクトなボディーに凝縮した最新のデジタル・ミキシングコンソール。的確なオペレーションをサポートする優れた操作性と、規模の大きなSRにも対応する入出力性能を獲得している。
ディスプレイは1面ながら現行モデルの約2倍の表示領域を実現した22インチ・ワイドタッチスクリーンを採用。16系統のチャンネルストリップと全入出力チャンネルのメーターを1面で表示できるだけでなく、ユーザーが自由に構成できるカスタムレイヤーも5系統搭載している。また、横幅1034mmのコンパクトなサーフェスに多彩な入出力系統を搭載。サーフェス背面に入力系統として32マイク/ライン、AES(4ch)、S/PDIF(2ch)を、出力系統として24モノバス、マスターLCR、モニターA/B、AES(4ch)、S/PDIF(2ch)を用意している。
さらにVi Seriesの比類ない音響性能を継承し、内部処理は40bitフローティングポイント演算で行い、極めて解像度の高いクリアな音質を獲得している。
価格 2,625,000円
ヒビノ株式会社 ヒビノプロオーディオセールス Div.
TEL: 03-5783-3110

2010年8月19日

朋栄 BIRTV 2010出展概要発表

 ㈱朋栄は、8月23日から北京で開催される中国最大の放送機器展「BIRTV 2010」の出展概要を発表した(ホール3・ブースNo. 3305)。主な出展製品は以下の通り。

●LTO-5 ビデオアーカイビングレコーダ LTR-100HS<新製品・BIRTV 初出展>
●HD/SD 1.5M/E ビデオスイッチャHVS-350HS<新製品・BIRTV 初出展>
●HD/SD ポータブルビデオスイッチャ HVS-300HS
●3G/HD/SD 2M/E~4M/E ビデオスイッチャ HVS-5000 シリーズ<BIRTV   初出展>
●HD/SD/ アナログ/PC 混在 高精細マルチビューワ MV-3200 シリーズ<新製品・BIRTV 初出展>
●HD/SD マルチパーパスシグナルプロセッサ FA-9100/9100RPS
●HD/SD 対応フレームレートコンバータFRC-8000 <新製品>
●HD/SD ビデオライタ FVW-500HS
●HD/SD クロマキーヤ MBP-100CK
●ポータブルビデオスタビライザ& オートビデオオプティマイザIVS-200 <新製品・BIRTV 初出展>
●HD バリアブルフレームレートカメラ VFC-7000 <参考出展>

他、多数

LTO-5 ビデオアーカイビングレコーダ LTR-100HS

                                   (s)

2010年7月27日

トムソン・カノープス デジタル・ディスクレコーダー「T2 SP2」実機デモ

トムソン・カノープスデジタル・ディスクレコーダー「T2」について、4月のNABにて発表されたService Pack2(SP2)の機能紹介を、実機を使用してご説明いただいた。

「T2」は次世代インテリジェント・デジタル・ディスクレコーダーとして、2009年9月に発売され、主にライブイベントやビデオ制作の用途で高い評価を得ている。その中でSP2として機能強化された部分は、ユーザーからの要望を大きく取り入れたもので、「これに関して、開発者目線での機能強化は一切ない」とのこと。

SP2での新機能、アップデート機能を以下にまとめる。
・直接再生機能
・24p録画モード
・録画中のクリップのエクスポート機能
・FTPアップロード・ダウンロード
・スローモーション機能強化
・NASへのファイルのインポート・エクスポート
・オートプレイモードの追加
・さらに多くのオーディオCODECのサポート
・GUI向上
・マルチ言語サポート
・プレイヤー機能強化
・プレイリスト機能強化
・インポートファイル対応フォーマット強化
・オーディオの個別設定

録画中のクリップのエクスポート機能やスローモーション機能を使えば、例えば小規模なライブ番組で、生番組中に簡単な編集作業をして、スロー再生出しなどへの対応もできる。
また、現在、ニュース番組において、スタジオセットの背景の映像出し等で使用されている例もあり、「この「T2」は使い方次第では、様々な放送現場に応用できるのでは」と期待を寄せる。
使い勝手の部分では、ワークステーションモード(キーボード、マウス、モニターを接続しての操作)で本機のJogシャトルが使えようになったり、クリップごとのオーディオゲインの変更が可能になるなど、細かいところでもユーザー目線の機能強化となっている。

なお、現在「T2」ユーザーの方はトムソン・カノープスのHPよりSP2の無償ダウンロードが可能(→無償ダウンロードページ


今回ご説明いただいた、トムソン・カノープス株式会社 マーケティングコミュニケーション部
アンディ・スミスさん。その日本語はほとんど日本人です。

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2010年7月22日

CEATEC JAPAN 2010 開催概要発表

最先端IT・エレクトロニクス展「CEATEC JAPAN 2010」の開催概要発表記者会見が、東京・丸の内の東京會舘にて行われた。

今回のトピックスとしては、
・日本型スマートグリッド(次世代電力網)をアピールするための”スマートグリッド・イノベーション2010″
・ビジネスシーン強化のための商談の場「CEATEC Suite」の新設
・産学連携を見据えた「電子情報通信学会」の併設
などが挙げられる。


主催者挨拶を行う、資宗 義之 氏((社)情報通信ネットワーク産業協会 専務理事)

今年の開催日時は以下のとおり
 CEATEC JAPAN 2010
  会期:10/5(火)~10/9(土)
      (CEATEC Suiteは10/6~10/8)
  会場:千葉県・幕張メッセ

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2010年7月21日

新製品ピックアップ 8月号掲載分

7/28発売予定の月刊「放送技術」8月号へ掲載する新製品情報を先行してご紹介します。

トムソン・カノープス
HD対応ノンリニア編集ワークステーション「REXCEED」の新モデル「MODEL600Vシリーズ」

本シリーズは、HDMIやHDコンポ―ネントの入出力を備えた高性能ビデオ編集ボード「HDSTORM PLUS」を搭載し、業務用モニタやテレビなどでのリアルタイムプレビューを可能にしたHD対応ノンリニア編集ワークステーション。パフォーマンスの大幅な向上により、リアルタイム性能も向上し、より快適なHD編集環境を実現した。さらに、ブルーレイドライブを標準装備し、大容量HDDを搭載することで、HDの入力から出力(書き出し)までスピーディーなワークフローを構築することができる。
また、自社開発のAVCHDエンジンを搭載した「EDIUS Pro」の最新版「EDIUS Pro 5 ver.5.5」を採用することで、快適なAVCHDのネイティブリアルタイム編集を可能にした。さらに新たにサポートされたAVCCAM、NXCAMなどのカメラや、AVCHDをソースとしたマルチカム編集でも快適な編集を実現する。
 価格 REXCEED MODEL600V 698,000円(税別)
トムソン・カノープス株式会社
 TEL 03-3516-2538

サイラック
多機能TS over IP伝送装置

サイラックは、MPEG2-TSをIPネットワーク利用して、伝送経路分割や最大32分配、コンテンツの暗号化などの多機能なMPEG2-TS IP伝送装置「VSX-IPA」を発売した。
本製品は、安価な一般回線(Bフレッツなど)を複数回線使用して伝送の高速化や回線維持費の削減、一度に32地点への同時配信などができる。
主な特長 
●送信、受信の同時実行が可能(TS→IP、IP→TS)。
●UDP(Unicast/Multicast)、RTP、TTS対応。
●経路分割機能(UDP、RTP、TTS、独自プロトコル再送機能、最大8分割)。
●IPv4(IPv6順次対応予定)。
●FEC(ProMPEG)対応。
●暗号化(128ビット共通鍵暗号:Camellia)。
●最大32分配機能(分配、分割の組み合わせ制約あり)。
●回線断判定による自動回線選択。
●回線帯域識別による回線分配率の自動変更機能。
●ハードウェア処置により、低遅延、低ジッタを実現し映像のリアルタイム伝送に最適。
●Tag-VLAN対応。
●ASI2系統入力までサポート(オプション)。
●GPS 1ppsでの固定遅延制御(オプション/開発予定)。
●TCP/IPプロトコルを使用して、パケットロスの無いIP伝送を実現(伝送経路は1系統のみ)。
株式会社サイラック
 TEL 03-3615-6201

ネットワークエレクトロニクスジャパン
韓国・BON electronics社のLCDピクチャーモニターディスプレイ2機種「BTM-170LS」「BPM-170LS」

「BTM-170LS」は、アナログおよびSD/HD-SDIビデオ画像の品質チェックに必要な基本性能を搭載した17インチLCDピクチャーモニター。ローコストながら10bit画像プロセッサの高解像度、各種セフティーマーカーやSDIエンベデッドオーディオレベルメーター表示などを搭載している。

「BPM-170LS」は、各種アナログビデオ、SD/HD-SDI、DVI、HDMI(HDCP v.1.1サポート)など多くの入力端子を搭載する多機能マルチフォーマットLCDピクチャーモニター。SDIディエンベデッド16chオーディオメーター表示、スピーカー、フォーンジャック、タイムコード表示、ウェーブフォーム/ベクトルスコープ同時表示可能などプロ用として必要な機能が全て搭載されている。また、AC100~240V電源の他にDC12V電源XLR-4端子付き2ウェイ電源方式のため、アウトドアロケーション用でも運用できる。さらに、LCD表面に特殊フィルタ加工を施したサンライト仕様BPM-17LSSも発売予定。
 価格 BTM-170LS 228,000円
     BPM-170LS 393,000円
ネットワークエレクトロニクスジャパン株式会社
 TEL 03‐5542‐3260

ローランド
REAC-MADIコンバータ

ローランドは、LANケーブル一本で高音質なデータ送信が可能なローランド独自のデジタル音声伝送技術「REAC」と、コンサートの音響で多く使用されている音声伝送方式「MADI」を相互変換することで「REAC」対応機器と「MADI」対応機器を接続し、高品位なフルデジタルの音響システムを実現するREAC-MADIコンバータ「S-MADI」を発売する。
本製品は、ローランドのREACと汎用のMADIの相互変換を可能にする音声伝送方式のフォーマットコンバータ。最大40チャンネルの音声データを変換し、REACのシステムとMADIのシステムのデジタル接続を実現する。例えば、MADI入出力を装備したデジタルミキサーにREACのデジタルスネークやパーソナルモニターをデジタルで接続することが可能である。
主な特長 
●REACとMADIを相互変換するデジタルオーディオコンバータ。
●導入済みのMADI機器に豊富なバリエーションをもつREAC機器を接続可能。
●信号の分岐やPCによるリモートコントロールなど、コンサートやレコーディングに対応する機能を装備。
価格 未定
ローランド株式会社
TEL 050-3101-2555

ヒビノ
AKG社 コンデンサーマイクロホン

ヒビノは、AKG社製コンデンサーマイクロホン「C 747 V11」を発売した。
本製品は、放送局・演劇などのライブレコーディングや会議室の設備用として活躍する小型コンデンサーマイクロホン「C 747」の後継機種。ポーラーパターンと周波数特性を調整することで、話者の声に対し優れたプレゼンスを得られるようになり、より明瞭度の高い音質になった。また軸外特性にも優れており、周囲の騒音が大きい場所でのグループディスカッションや残響が著しい環境でも演説者の声をクリアに収音する。さらに、携帯電話やワイヤレスマイクロホンシステムから発生するRF 干渉に対する耐久性を改善。不意の電波に遭遇してもノイズの発生を防ぐ。
また、高感度・低セルフノイズの超小型カプセルを内蔵しており、φ 9mm という小さなサイズに係わらず、音響バランスに優れており、全体域にわたってフラットなレスポンスを有している。また最大音圧レベル133dB SPL、等価雑音レベルは21dB SPLとダイナミックレンジも広いため、スピーチ以外にも音圧の大きな楽器にも対応可能である。
ヒビノ株式会社 ヒビノプロオーディオセールス Div.
TEL 03-5783-3110

2010年5月13日

ゼンハイザージャパン 新製品発表会 

ゼンハイザージャパン㈱は、5月13日に東京・秋葉原UDXシアターにて、ワイヤレスシステムの新製品「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」の発表イベントを開催した。

今回の新製品には「周波数スキャン機能」、「周波数バンク機能」、「赤外線Sync機能」などの新たな機能が追加されたている。また、マイクロフォンカプセルはラインナップより選択して簡単にセットアップでき、さらにPCによる管理ソフトウエア・WSM(ワイヤレス・システム・マネージメント)にも対応している。
01 「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」
新製品「2000 series」および「evolution G3 Wireless System」

02 フェンダー
よく見ると手前のギター、フェンダーのストラトではないか!

発表イベントでは、音楽グループ「Skoop On Somebody」による実際にゼンハイザー社のマイクロフォンを使用したデモ演奏ライブや、ドイツ本社より来日したシニアプロジェクトマネージャーのKlaus Willemsen氏によるプロフェッショナルワイヤレスマイクシステムについての講演も行われた。
03 Skoop On Somebody
Skoop On Somebodyさんによるデモライブ。
「自分は体もマイクも震えるまで熱唱する古いタイプのボーカリストですが(笑)、このマイクはそれをちゃんと伝えてくれます」ボーカル・TAKEさん談

04 Klaus Willemsen氏
Klaus Willemsen氏の講演。「うぇるむせん」さんと読みます。

05 堂田氏
カメラを向けると「僕もいいっすか?」とゼンハイザージャパン・放送機器担当の堂田氏。おちゃめである。

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2010年4月21日

スカパーJSATとソニー、2010年サッカーW杯南アフリカ大会を3Dで放送

スカパーJSATソニーは、6月11日に開幕する2010 FIFAワールドカップ 南アフリカの日本対オランダ戦及び決勝戦の生中継を含む計25試合の放送を3D放送すると発表した。

この3D放送は、「スカパー!」で新たに放送を開始する3D専門チャンネル「スカチャン3D 169」での放送となり、3D放送専門チャンネルとしては、日本で唯一となる。
今回はソニーを冠スポンサーとして「Sony Presents 『2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ 3D』」として、チャンネル、パック・セット等の契約により無料で視聴できる。

この3D放送に使用される映像は、オフィシャルFIFAパートナーであるソニーがFIFAとの共同で3D映像化するもので、撮影・制作には、カメラや中継車などを始めとするソニー製3D対応放送業務用機器が使用される。
ソニーでは、6月からの3D対応の液晶テレビ<ブラビア>発売する予定。

共同会見

スカパーJSAT・執行役員専務 田中 晃 氏(左)と、ソニー・3D&BDプロジェクトマネジメント部 部門長 島津 彰 氏(右)

ちなみに発表会見が行われたのは、東京・文京区にある「日本サッカーミュージアム」。
サッカーミュージアム

地下一階の「日本サッカー殿堂」には、偉人たちのレリーフが。クラマー釜本もいる!
日本サッカー殿堂
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2010年4月16日

座談会回顧録 「データ放送座談会」に思ふ ④

「技術的に可能」なことが、放送サービスとして有益であるとは限らない。
思えば初期のデータ放送は「技術的に可能」となったことを試す場となっていた。
視聴者に受け入れられれば良し、受け入れられなくとも
「いまはまだ、デジタル放送が普及していないから」
「電話線がつながっていないから」
と言い訳がたつ。

座談会を終えて感じたこと。それは「現実路線への転換」だった。技術的に可能となる高度なサービスを追い求めるのではなく、あくまで視聴者にとって有益な放送サービスを提供すること。それこそが、今回最も大きなテーマとしていた「データ放送の現在」だ。
無論、不況と広告収入減に伴うコスト削減が背景にはある。担当者がやりたいことを試す余裕がなくなってきたことも事実だ。それでも、新たなサービスがなくなったわけではない。むしろ、地に足をつけた新規データ放送が増えてきたのだと感じた。

「労多くして功少なし」はデータ放送の宿命かもしれない。スポーツ中継では事前に競技自体を学び、さまざまな関連情報を集め、それらに誤りがないかを確認し、狙い通り動くかどうかを検証する。それでも、視聴率アップに貢献するのは難しい。下手すれば、多くの視聴者に存在を気づかれぬままに終わる。
PUSH型の一斉同報配信を武器に情報を氾濫させ、高度経済成長以降の大量消費を支えてきたテレビ放送にとって、多少のPULLを伴いチマチマした情報を提供するデータ放送は決して相性のよいものではない。一時はインターネットにかわるもの、つまりはデジタル=デバイド解消の切り札として関係者の期待を集めたが、データ放送がテレビ放送の一環として行われる以上、両者はあくまで似て非なるものなのだ(非対応端末の有無に関わらず)。

それらを踏まえた上で、データ放送担当者たちは「新たなメディア」としての基軸を打ちたてようとしている。本質的には、テレビ放送を補完するためのツール。
その本質の範囲内でも何らかの発展を遂げることができるのではないか、と。

長く課題とされてきたテレビへの通信回線接続については「つなぐまで待とう」でも「つながせてみよう」でも(もちろん「殺してしまえ」でも)なく、「つながなくても楽しい」や「別の回線を使おう」という方向性が生まれてきたようだ。これはこれで悪くない。
飛躍的なステップに頼るのではなく、コツコツと積み重ねた結果の上にいつしか見えるのが「次のステージ」。その形は依然おぼろげではあるが、少なくともたどり着くことはできそうだな、と期待感の持てる座談会となった。(終)

高瀬徹朗(本誌特別記者)


高瀬氏による、「座談会回顧録」4回分すべて掲載させていただきました。
文中の座談会ですが、月刊「放送技術」5月号(4/28発売)にて
特集として掲載いたしますので、是非ご覧なっていただければ幸いです。

2010年4月15日

座談会回顧録 「データ放送座談会」に思ふ ③

先日、チリ地震による大津波警報が1日中「番組ジャック」(?)するということがあった。

放送サービスに近い位置で仕事するものとして、緊急災害速報がいかなる高視聴率番組よりも優先されるべき最重要事項であることは理解している。が、直接津波の脅威にさらされていなかった私個人としては、何を視ていても表示されていた日本地図を模した表示に辟易した。
「データ放送がきちんと浸透していれば、画面を強制占有する必要はなかったのに」。
いや、デジ・アナが混在している現状では難しいかもしれない。が、せめてデジタル放送受信者への配慮として、その情報が必要ない者は消すことが出来る、というサービスがあってもよかったのではなかろうか。それすらできなかったのはやはり、データ放送が浸透していないせいに違いあるまい。そう思うと余計に苛立ちを覚えた。

さて、座談会。このテーマ自体を話題にあげるチャンスはなかったが、別の話題から回答に近いものは得ることが出来た。

座談会の様子

まず、受信機タイプの多様化。基本、データ放送を提供する場合は「すべての端末で動作する」ことを検証した上で提供される。開始当初はともかく、現在のようにデジタルテレビのタイプそのものが増えてくると作業量も膨大だ。
万が一にも情報伝達ミスがあってはならない緊急災害報道において、
「その端末ではデータ放送が動きませんでした」
などということは言い訳にならない。
そもそも、状況が逐一かわる緊急災害の場合、事前に充分な検証時間をとれるとも限らない。そう考えると、視聴者側の操作枠外(つまりスーパー表示)に情報を置くしかなかった、ということになる。

もうひとつ。安価なデジタル放送対応受信機の中に「データ放送非対応機種」が生まれてしまったことだ。これは動作検証よりもはるかに由々しき問題で、いずれはデータ放送が「高級機種だけの特別サービス」と化してしまう危険性すら伴う。
情報を一方的に送りつける本線映像・音声と異なり、視聴者任意でいつでも好きなときに欲しい情報を取得できるのがデータ放送。また通信を伴うインターネットと異なり、いかにアクセスが集中しても輻輳しないし、テレビを媒介したサービスであるためPCインターネットほど利用者を選びはしない。
だから、緊急災害の情報ツールとしてデータ放送は有益である、はずだった。が、一部機種で未対応ということになれば、万人に情報を送ることが大前提の災害報道に用いることなどできるはずがない。

個人的な疑問点に回答を得ることはできたが、それでも苛立ちはとまらない。デジタル放送普及を急ぐあまり、デジタル放送本来の目的を失いつつあるのではなかろうか。(続く)

高瀬徹朗(本誌特別記者)

2010年4月13日

座談会回顧録 「データ放送座談会」に思ふ ②

座談会当日。集まったのはデータ放送を初期から支える各局歴戦の勇士たちだ。
初めてお目にかかる方もいらっしゃるが、基本的には長い付き合いの方が多い。リラックスしたムードで本番に臨むことができた。

座談会の様子

さて、気になった内容をいくつか紹介しよう。
まず、スポーツやオーバレイ表示の話題で出てきた「社内の理解」という話について。
放送番組制作には多くのスタッフが関わるが、内容を統括的に判断する制作責任者が存在する。基本的には、その人物がやれ映像はどうだ、音声はどうだ、スーパー表示はどうだとあれこれ指示を出すわけだが、基本的にデータ放送は範疇外、ということが多い。
データ放送にはデータ放送だけを担当するチームがあって、当日集まったメンバーもほとんどそのチームの一員だ。つまり、特定の番組についたスタッフではない。だから、何かをするためには「理解」が必要になる。理解を得られなければ、データ放送を付加することはできないのだ。

データ放送がどういうものかわからなかった初期はともかく、現在でもそうした状況は続いている(一部、改善も見られるものの)、という。放送局ですらそんな状態なのだから、一般の視聴者に「データ放送を活用せよ」と訴えるのは無理な話だ。
データ放送に特化したチームが作られたからこそ、当日集まったメンバーのような「プロフェッショナル」が誕生した。

一方、各局がコスト削減の目標を掲げた際に「この番組のデータ放送は削る」という取捨選択ではなく「データ放送全体を削る」というグロスの考えを生んでしまうのは、いまだ特別枠として扱われていることが要因であろう。
各放送局の体制に絡んだ話なので難しいが、データ放送の将来のためにはぜひ、どうにかしてほしい。というかNHKさん、お願いします。(続く)

高瀬徹朗(本誌特別記者)