2010年2月4日

異才ギリアムが描く幻想世界!映画『Dr.パルナサスの鏡』

『未来世紀ブラジル』テリー・ギリアム監督の新作『Dr.パルナサスの鏡』、この鏡の向こうの異空間にはまってしまいました!

現代のロンドンで、パルナサス博士率いる旅芸人の一座の出し物が魔法の鏡「イマジナリウム」。この鏡の向こうには人々の欲望を現実のものにしてくれる摩訶不思議な異空間があった。たった一人の娘と引き換えに不死の望みをかなえたパルナサス博士とその周囲の個性あふれるキャラクターたちが織りなすラビリンスの世界。
ジョニー・デップや故ヒース・レジャーもよかったけど、博士役のクリストファー・プラマーは最高です!

スクリーンの前で、現実世界と鏡の向こうの異空間を行ったり来たりしているうちにどちらが本当の世界かわからなくなってきます。今この原稿を書いている編集部の「シテ吉」や「㎡」、「M」も、ふだんは真面目にしているけど、欲望がむき出しになる鏡の向こうではどんな姿をしているのか・・・(恐)

映画『Dr.パルナサスの鏡』
☆☆☆☆☆ (文句なしの5つ星!)

(kenta)

2010年1月18日

私的正月映画評

これまで触れなかった年末から年始にかけて観た正月映画、自分なりに評価してみました。

『2012』
いわゆる「鳴り物入り」の正月映画だが、まぁ評判通りです。
プロットも、CG技術も、役者たちも、すべてが期待を裏切ることなく出来上がった正月映画の巨編。
☆☆☆☆★

『倫敦から来た男』
これも前評判通りに楽しめました。モノクロのタッチといい、登場人物の役回りと演技といい、往年のヨーロッパ映画の雰囲気のままにすべてが運ぶうれしさ!でも、欲を言うと、もう少し深みがあったら良かった!
☆☆☆☆★

『パブリック・エネミーズ』
伝説の銀行強盗(でも義賊)をジョニー・デップが演じた話題作。
お決まりのストーリーだけど、やっぱり引き込まれるのは役者とスタッフの力量です。
☆☆☆☆☆

大雷蔵祭
初春狸御殿』、『花くらべ狸道中』、『大菩薩峠』3部作、『眠狂四郎』2作ほど
夭折の名俳優、市川雷蔵の映画大会、結構楽しめます。まだまだやっているから、作品をしぼるのも大変です。子供の頃、よくやっていた「円月殺法」「音無しの構え」の原点も久々です!
昔、映画業界華やかなりし頃はどの映画会社でも「オールスターキャスト」ものや和製ミュージカル映画があったね!楽しかったなぁ!
☆☆☆★★

『THIS IS IT』
今をさかのぼること27、8年前、エピックレコードの宣伝の方が「久々のマイケルの新作です!」と言って届けてくれた『スリラー』!度肝を抜かれたもんです!でも、今でも一切朽ちることなく、いやますます光彩を放つ作品でなぁ…。
MJが生きていれば、たぶん見ることもなかった映画。改めてMJの才能にリスペクト!
また改めて、ご冥福をお祈りいたします。
☆☆☆☆☆

(kenta)

2010年1月12日

おススメ!3D映画『アバター(AVATAR)』

ジェームズ・キャメロン監督の『アバター(AVATAR)』を3D上映館で観ました。結論から言うと、おススメです!

『アバター』 (c)2009 TWENTIETH CENTURY FOX

『アバター』 (c)2009 TWENTIETH CENTURY FOX

昨年の早いうちからパナソニックのCFにも一部の映像が使用されるなど、作品情報も映像も目にすることが多かった作品ですが、正直なところ、あまり期待していなかった。でもせっかく観るのなら、やはり3Dだろうなと思い、前日にシートを予約、改装以来ご無沙汰の新宿ピカデリーに出かけました。
可愛くない分身(アバター)、そのまんまのタイトル、長ぁぁーい上映時間、ふだんのメガネの上にかける3Dメガネ・・・ネガティブな要素が多く、期待感もないまま席に着いてしまった自分でした。でも!でも、あっという間の3時間でした!
まず、3D。映像製作上の様々な技術が自然な形で生かされ、また3Dそのものも迫力いっぱいだけど、ちょっと前のいわゆるコケオドシ的な部分を強調することなく、ものの見事にこなれて使われていました。(チョーがつく高所恐怖症の自分にとって、つらい、つらいシーンもふんだんで、ジェットコースター連続5回乗りくらいのドキドキ感も!)

『アバター』 (c)2009 TWENTIETH CENTURY FOX

『アバター』 (c)2009 TWENTIETH CENTURY FOX

ストーリーもとても厚みがあり、映像テクノロジーは別にしても傑作です。16世紀以降に頻繁に繰り返されてきた欧米の(時には日本も)帝国主義的な侵略戦争への批判、人種差別への批判、そして今の地球で最も切実な問題の一つである環境破壊への批判、等々、人類への鋭い批判もちりばめられています。
 20世紀の初めに書かれたコナン・ドイル『失われた世界』を小学生の時から今に至るまで何度も繰り返し愛読している自分が2010年の正月にこの映画に出会えたこと、今年はいい年になりそうです!

映画『アバター』
☆☆☆☆☆

(kenta)

2009年12月17日

神話や万葉集の新解釈、楽しめました!『ささがねの蜘蛛』

新刊ではありませんが、「古事記日本書紀万葉集と古代タミル語の饗宴」というキャッチコピーに魅かれて手に取った本、『ささがねの蜘蛛』(田中孝顕・著、幻冬舎)。昨年に物故者となられた日本語学者、大野晋博士の「日本語 タミル語起源説」から神話や万葉集を新しく解釈した血沸き肉躍る歴史&言語学ミステリー!?です。

『ささがねの蜘蛛』

圧巻は第五章の万葉集の持統天皇の歌「春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香久山」の解釈!てっきりこの歌、梅雨が過ぎた後の、あるいは梅雨の合間の爽やかな初夏の到来を喜んだ歌とばっかり思っていたら、おっとどっこい!「春が過ぎて、あの暑苦しい夏が来た!太陽もあの神聖な天の香久山をジリジリと焦がしているわ!」と、嫌いな夏を呪った持統天皇の嘆きなんだって!でも古代タミル語から理詰めで解説されると、素直に頷いてしまいます。
日本語の起源についてはいまだ諸説紛々としているようですが、浅学の身でも結構楽しめた1冊ではありました。

ところで著者の田中さん、この人はその昔、自己啓発モノで稼いでいた人だったんでは????

( kenta )