スポーツニュースに女子アナが参入してどれくらいが経っただろうか。かつては「神聖なるグラウンドにチャラチャラした格好で足を踏み入れて・・・」なんてプロ野球OBのお叱りがあったように記憶しているが、相次いだカップル成立に怒る気力もうせたのか、そうした声もとんと聞かなくなった。
さて、実のところ女子アナの婚活にもプロスポーツ選手たちのプライベートにも、まして某大学教授が盛り上げていた男女平等運動にもさほど興味がない私としては、当初から気になっていたことがあった。それは「ニュース内における選手の呼称」である。
「ノーアウト2・3塁のチャンス、ここで迎えるバッターは金本」。選手本人を直接目の前に置いたインタビューならばともかく、通常、男性アナウンサーが選手を敬称つきで呼ぶことはない。選手の年齢やキャリア、実績に関わらず「呼び捨て」が基本だ。
当然、女子アナがニュース原稿を読む場合でも同様。が、これにどうしようもない不快感を覚えた。「選手に対する敬意が感じられない」という心理なのだろうが、それは本来、男性アナにも感じるべきことのはず。女子アナだけ不快に思うのは不平等なのはわかっているが、心が反応してしまうのだから仕方がない。
ところで最近、この「呼称問題」に大きな変化が見られた。いつの間にか、ほとんどの女子アナがニュース原稿で「××選手」と呼ぶようになっている。実際にどのような方向転換が示されたのかは各局アナウンス部にでも聞いてみないとわからないが、おそらく私と同様「耳障り」に感じていた視聴者、あるいは放送局関係者がいたということだろう。
「呼称問題」が解決されたことでむしろ、女子アナが優しく読み上げるスポーツニュースを好ましく感じられるようになった。そう、「優しい」。男性アナが「××選手」と読んだところで、おそらく優しさまでは感じられまい。
女子アナといえば「局のマスコット」あるいは「局自身が雇っているタレント」、なんなら「スポーツ選手の結婚相手」的なイメージが強かった昨今。個人的に「本当の意味での存在意義」を見出せたので、改めてその職業に敬意と感謝の意を示したいと思う。
「各局のスポーツニュースを担当されている女性アナウンサーの皆様。阪神タイガースが試合に敗れたくらいのことで選手にひどい悪態をつくほど殺伐としてしまう私の心にいつも、優しさを届けてくれてありがとうございます」
高瀬徹朗(本誌特別記者)











